スキー

 スキーを始める迄は、冬と言えば寒いだけで、嫌なシーズンだった。学生の頃も、雪が降れば一日中炬燵で横になりテレビをぼ〜っと見ていた。大雪の日は外に出るなどもってのほか。そんな人間だった。それが、就職して2年目の冬に、それも3月に入ってから、幼馴染みに誘われたのが事の発端。初めは断わったが、いかにも楽しいぞと言わんばかりの雰囲気を彼は持っていた。なんか、楽しそうだなぁ、という気になり、とりあえず、ウエアとグローブと帽子は買って、初めてゲレンデに連れて行ってもらった。初めてブーツを履いた感触は足が痛い。思うように歩けない。歩くとモビルスーツみたいだ。借りた板も状態が悪くしかもボロボロ。ゲレンデに辿り着き板を履いて立つと頼みもしないのにズルズルズルっと滑って行くじゃないか。思うように立っていられなく、すぐに転ける。それでも、その冬は誘われるままに3回スキー場へ行った。その頃は、米子自動車道がまだなかったので大山迄6〜7時間くらいかかっていた。冬が終わる頃には道具一式買い揃えていた。そう、その時、既にスキーにはまっていたのである。それからである、雪が恋しい、冬よ早く来いと言うようになったのは。                                                      ('98.7.16)